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2014-05-18 [篠田真由美]

 篠田真由美さんの「屍の園〜桜井京介episode0」を読みました。
 ー世俗から隔離された全寮制男子校「聖マカーリィ学院」。高等部2年の饗庭怜は、鐘楼と呼ばれる塔から落下し、前後の記憶を失ってしまった。自殺未遂として処理されたが、怜に思い当たることはない。友人から殺人未遂の可能性を示唆され真実を探ろうとする怜だったが……ー
 京介がまだ工藤アキラの名前で閉ざされた学院にいた頃の話。蒼も深春も神代教授も全く出て来ない。episode0と銘打っているが工藤アキラが出て来るのはほんの少しで、主人公は怜である。工藤アキラは怜に的確なアドヴァイスを与え、彼が真実に辿り着く手助けをしている。思春期の少年達が閉じ込められた学院は、いかにも著者が好きそうな舞台設定である。「建築探偵シリーズ」を未読の方が楽しめたかもしれない。
 事件の真相を語るのが幻のような存在というのは、ミステリとしてどうなのかと思う。事件直後に類が怜に語っても良かったのではないかと思うが、成人した京介を出したかったのと、「燔祭の丘」と繋げたかったのだろう。

屍の園 桜井京介episode0 (講談社ノベルス)

屍の園 桜井京介episode0 (講談社ノベルス)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/03/06
  • メディア: 新書



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2014-05-11 [篠田真由美]

 篠田真由美さんの「さくらゆき〜桜井京介returns」を読みました。
 ー日本画の大家・野々村白仙の養女である薔子(しょうこ)が、クリスマスパーティーで変死した。事件の所為で心因性の不調に悩む高校生の義弟の郁哉に、スクールカウンセラーである薬師寺香澄は桜井京介という不思議な男を紹介するー
 「魔女の死んだ家」はスピンオフという位置づけのようだが、今作はタイトルにあるように「続編」なのだろう。4つの短編からなる本作の時系列は2012年。蒼こと香澄は大学院を出てスクールカウンセラーとして色々な学校に行っている。そこで事件を拾い京介に引き継ぐ。京介は神代家で神代と香澄の3人で暮らしており、現在は家政夫的な立場。建築探偵ならぬ家政夫探偵である。ちなみに年齢は香澄34歳、京介44歳。こうなるとサザエさん方式の方が良かったなとつくづく思う。深春は「燔祭の丘」で綾乃と結婚して以降出番はなく、今作でも登場していない。この作品のファンは京介、深春、蒼(香澄)の3人が活躍するのが好きだろうから残念。
 京都の古書店を舞台にした「それは魔法の船」は、郁哉と京介がメールのやりとりで事件を話し合う。京介は積極的に事件に関わることはないが、警察とのパイプは健在のようだ。
 表題作には庄司ゆきという少女が登場する。少々理屈っぽいこの少女は、新しい桜井京介シリーズのレギュラーになりそうな予感。動かし難くなってしまった綾乃の代わりとか。
 神代教授による「あとがき」はない方が良かった。あとがきで簡単にキャラクターのその後を語られても読者は納得しないのではないだろうか。

さくらゆき 桜井京介returns (講談社ノベルス)

さくらゆき 桜井京介returns (講談社ノベルス)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/08/07
  • メディア: 新書



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2014-05-10 [篠田真由美]

 篠田真由美さんの「魔女の死んだ家」を読みました。
 ー資産家であり絶世の美女である小鷹狩都夜子(こたかり・つやこ)が、自らが暮らす瀟酒な西洋屋敷で死んだ。明らかな他殺であり、逮捕されたのは元婚約者の男。その美貌と振る舞いから「魔女」と呼ばれた都夜子には彼女を「すうはい」する男が大勢いた。事件当時の関係者によって全く異なる印象を与える都夜子。彼女は何故死んだのかー
 「ミステリーランド」で刊行されたものをノベルス化するにあたって改稿している。「ミステリーランド」では正体不明だった探偵役も、ノベルス版でははっきりと桜井京介であるとされている。
 「ミステリーランド」は「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」と銘打たれた叢書で刊行されたが、殆どは「大人向け」だった印象が強い。値段もそうだし物語の内容も子供にはちょっと……と思わせるものが多かった。この作品も都夜子に対する男達の話など、子供というよりは大人向けだろう。文体も割と平易ではあるけれど、漢字と平仮名の割合が少し妙な感じがして読んでいて落ち着かない。語り部が次々に変わるので、なかなかに忙しい作品。その語り部の正体に気付くかどうか。しかし、動機がまたなんともいえない。こんな理由で?と唖然としてしまったのは、登場人物達と一緒だろう。西洋屋敷と美しい桜。舞台装置はとても良かったのに。

魔女の死んだ家 (講談社ノベルス)

魔女の死んだ家 (講談社ノベルス)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/06/07
  • メディア: 新書



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2014-04-27 [篠田真由美]

 篠田真由美さんの「燔祭の丘〜建築探偵桜井京介の事件簿」を読みました。
 ー謎の詩を残して姿を消した京介を追う蒼と深春。函館で京介を探す彼等は、20年前に起こった忌まわしい事件を知る。全寮制の男子校で起こった殺人事件と火災の犯人は本当に京介なのか。次第に明らかになる久遠家のルーツと京介の父の狂気……ー
 本編の完結編。久遠アレクセイの名で生家に戻って来た京介。彼を必死に探す蒼。その間に20年前に起こった全寮制高校での殺人放火事件が描かれる。舞台となった学院は、外に出ることを望んだアレクセイに対して父親が造り上げたもの。彼がなぜ「桜井京介」という名を得たのかも明かされる。前作「黒影の館」からの続きものだが、最大の敵であるはずの父親・久遠グレゴリが期待よりかなり小物だったのが残念。門野が手子摺る理由がわからない。権力だけならグレゴリの置かれた状況から、門野の方が手にしているような気がする。京介は生家に戻ってからある暗示をかけられているが、父親達に対してあれほど敵愾心と猜疑心を持つ京介が、果たして暗示にかかるものなのか。「コードギアス」に出て来るギアス並に強力な暗示である。それなのに蒼の声で解けてしまうというのだから少々拍子抜けだった。建築探偵シリーズなので、最後くらいはやはり建物に絡めて欲しかった。少女漫画的な物語に終始してしまったのはやはり残念としかいえない。

燔祭の丘 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス)

燔祭の丘 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/01/06
  • メディア: 新書



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2014-04-13 [篠田真由美]

 篠田真由美さんの「黒影(かげ)の館〜建築探偵桜井京介の事件簿〜」を読みました。
 ー1980年秋、養父を失った神代宗は、傷心を癒す為に旅に出る。彼を誘った実業家の門野と共に訪れた北の町で、謂れなき殺人の罪を着せられてしまう。門野は姿を消し、神代は土地を支配する「久遠家」の壮大な屋敷に軟禁される。館で出会った謎の少年・アレクセイと共に、神代は久遠家の血塗られた過去を目撃することにー
 前作で生家に戻ってしまった京介。彼を取り戻したい蒼と深春は、京介の保護者でもある神代に詰め寄り、神代が語った京介との出会いが本編である。
 京介の本名が久遠叡(くどお・あきら)であり、通称がアレクセイであることが明かされ、京介のあの美貌の謎も明かされる。北の大地に壮大な館を構え、町そのものを支配している久遠家が何者なのか、当主である久遠呉がどれだけの権力を有しているのかが謎である。だが、たとえ北の果てとはいえ1980年の日本である。国税調査も来るだろうし何より税務署と警察を舐めてはいけない。人知れず存在する町など果たしてありえるのか。このシリーズには困った時には何でもやってくれる謎の権力者なる者が度々登場するが(門野のような)、登場人物が権力を拒否する割に作者は権力者が好きなようだ。登場人物の過去といえば、蒼の過去を描いた「原罪の庭」という傑作があるが、京介の過去ならその話以上のものをと期待していた。だが、それほどでもなさそうである。せっかくの壮大な屋敷での物語なのに、事件に活かせていないのが残念。建築探偵になる前ではあるものの、アレクセイの聡明さを強調するならやはり建物に絡ませて欲しかった。もの凄い権力者なら自分の屋敷は名のある建築家か、無名だが奇抜な建築家に依頼するものだと勝手に思っていた。綾辻氏の「館シリーズ」のような建物を想像していたので、少々残念だった。

黒影の館 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス)

黒影の館 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/01/09
  • メディア: 新書



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2011-11-13 [篠田真由美]

 フリット君てば、コロニー内でビームライフル撃っちゃ駄目だよ。穴があいたら大変だよ。というか、フリット君達はあのコロニーに寄港しているだけだから、手を出しちゃ駄目なんじゃないの?と思った「ガンダムAGE」第6話。なんだかもうボロボロです。コロニーの市街地で内戦なんて穴があいたら大変だよ(2度目)。もしやあれは観光客向けの戦闘ショーなんでしょうか。非常サイレンもならずにいきなり防壁が出て来たら危ないですよ。しかもUEさんたら、量子化しちゃっているのか光学迷彩なのか透明になっちゃうし。コロニーは資源や環境的に住める人数が管理されているのではないのだろうか。あんな場所に管理IDすらないような人がわらわら住んでいたら、コロニーが破綻してしまいそうな気もします。茶色のザクもどきがなんだか「埴輪」みたいでした。

 篠田真由美さんの「失楽の街〜建築探偵桜井京介の事件簿」を読みました。
 ー4月1日のW大講堂前を皮切りに都内で発生した連続爆破事件。事件前にネット上では『火刑法廷』というハンドルネームで犯行予告がアップされていた。自宅前に爆弾を置かれた神代宗、自分を庇った為に親友の翳が負傷した蒼、そして京介も事件に巻き込まれて行く。故郷を飛び出して大都会を彷徨う少年、過去をひきずる男と女、40年前に我が子を亡くし、我が子の友人を疑い続けている父親。老朽化の為に壊されることが決まったかつては東洋一の設備を誇っていたアパートに集う者達。彼等は救われることができるのかー
 うーん、いただけない。今回は「建物」そのものではなく「東京」を1つの建築物に見立てた「社会派」ミステリらしいのですが、如何せん思想が「左」過ぎて少々白けてしまいました。それに連続爆破事件の主犯格が最後にいきなり登場するというのは、ミステリ的に如何なものかと思います。恐らく最初に出て来た人の血縁者なのかと思いましたが、そういう記述はないし(主犯格なのか最初に出て来た人なのか両方取れる記述はありましたが)。ミステリだからある程度はきちんと記述してくれないとなあ。警察という国家権力に対して反抗心剥き出しのレギュラー陣が、何かあると「門野さん」を頼ろうとしているのはどうなんでしょう。門野さんが蒼や京介の為に行使する力は権力ではないのかとか色々鼻についてしまってあまり楽しめませんでした。ただ、モデルとなった同潤会アパートメントは私も好きでした。老朽化とはいえ勿体ないなと思います。
 
失楽の街 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

失楽の街 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/08/12
  • メディア: 文庫



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2011-07-21 [篠田真由美]

 涼しい。10度違うと別世界です。これだけ涼しいのを味わうと明日からの暑さに耐えられないかもしれません。

 篠田真由美さんの「Ave Maria」を読みました。
 ー凄惨を極めた薬師寺事件から14年。時効を目前にしてネット上では事件の考察が活発に行われていた。事件の当事者だった蒼こと薬師寺香澄の元に1通の封筒が届いた。「REMEMBER」とだけ書かれたその封筒の送り主は「響」。蒼は京介達の助けを借りずに過去と向き合うことを決める。そんな蒼の前に小城里花と名乗る女が現われる。母親から支配されて育ったと訴える彼女は、蒼になら自分の気持ちが理解できるはずだと彼に付きまとう。ー
 「建築探偵シリーズ」の「原罪の庭」の決着編ともいうべき話なので、「原罪の庭」を読んでいないと壮大なネタバレをくらうことになります。「原罪の庭」を読んだのはかなり昔でしたが、とても印象深い話だったので記憶に残っていました。今回は大学生になった蒼が過去と向き合って事件に対して一区切りつけ、複雑な関係となってしまった母親とも向き合うというお話でした。そこに絡んで来るのが小城里花と「響」と名乗った人物。小城里花みたいな人、意外と現実に多いですね。そして相変わらず過保護な京介達ですが、蒼は彼等の力を借りずに自力で何とかしようとあがきます。が、「謎の老人」門野さんが暗躍していたりしています。この人便利です。お話は面白かったのですが、蒼と翳の関係がちょっとなあ……。

Ave Maria アヴェ マリア (講談社文庫)

Ave Maria アヴェ マリア (講談社文庫)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/08/12
  • メディア: 文庫



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2011-07-13 [篠田真由美]

 言葉もないくらいに暑いです。こんなに暑いのに高校野球の予選をやって大丈夫なんでしょうか。そろそろ予選の方法を考えた方がいいのではないでしょうか。

 篠田真由美さんの「桜の園〜神代教授の日常と謎」を読みました。
 ー満開の桜の中に建つ「桜館」。W大の同僚である大島に頼まれて、神代は親友の辰野と共に館を訪ねる。館に住む3人の老女達は大島の縁戚だが、大島は彼女達を「魔女」と呼んで恐れ嫌う。やがて始まった最後の花見の宴だが、それは大島の記憶を呼び覚ますかのように過去の出来事をなぞっていた。40年前の花見の宴で何が起こったのかー
 「建築探偵シリーズ」のスピンオフ作品です。大島教授の縁戚(結構ややこしかった)にあたる3人の女性達のキャラが濃い。大島先生は本編ではなかなか良い教授なのに、この作品ではまるで子どものようです。そこがちょっと不気味。第2章のタイトルが「少年アリス」なのですが、この言葉だとどうしても長野まゆみさんの小説を思い出してしまいます。大島と彼の母親をはじめとする彼を取り巻く女性達の壮大な物語でした。でもちょっとだらだら長かった。もう一編、神代と彼の母親の物語「花の形見に」が収録されていて、こちらの方が面白かったです。神代家の居候達は「花の形見に」に出て来ます。一番びっくりしたのは京介が付き合いとはいえプールに行ったこと。本を読んでいたとはいえ(それもどうかと思うが)、プールサイドにむく犬がいると思うと……。

桜の園   神代教授の日常と謎   (カドカワ・エンタテインメント)

桜の園   神代教授の日常と謎   (カドカワ・エンタテインメント)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/02/25
  • メディア: 新書



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2011-06-22 [篠田真由美]

 昨夜から暑くて、その所為か「にゃんこ先生ジャンボぬいぐるみ」に埋もれるという不幸なのか幸せなのかわからない夢を見ました。目が覚めて思わず我が家のにゃんこ先生ジャンボぬいぐるみの姿を確認してしまいました。その「夏目友人帳」のアニメ第3期がいよいよ7月から始まります。楽しみだ。そして今日は猛烈に暑かった。他の電気製品を我慢しますからエアコンだけ使わせてください。

 篠田真由美さんの「聖女の塔〜建築探偵桜井京介の事件簿」を読みました。
 ー長崎県の孤島『波手島』。明治の教会が残る無人島で、女達は炎に包まれて死んだ。宗教的な理由による集団自殺なのか。事件性を疑う武智と名乗る私立探偵に乞われ、桜井京介は長崎へと向かう。一方、大学に戻った蒼は、カルト宗教団体に入信したまま戻って来ない友人を救おうとしていた。京介は蒼に迫る罠から彼を救うことができるのかー
 クライマックスに向けて助走を始めた1冊。このお話から最終巻「燔祭の丘」まで一気に突き進むとか。この本ではもう「建築探偵」という言葉はいらないんじゃないかな。建物といえば焼けこげた教会跡と都内に出現した新興宗教団体のビルしか出て来ないし。あるキャラクターが再び登場しますが、この人の存在をすっこーんと忘れており、「あんた、誰?」状態でした。あとがきにその人物が登場した作品名が書かれていて、本棚をごそごそ探って見つけてきました。もう一度読んでみようと思います。最後の最後まで思い出しませんでしたよ。この先こういうパターンが続くのだろうか。長いシリーズ物だと最初の頃に読んだ本は処分していることも多くてキャラ再登場になると辛い……。今回のお話は実に気の長いお話でした。犯人も今ひとつここまでの犯行を計画するようには見えません。黒幕の為に無理矢理こじつけて動機をつくりあげたような感じです。蒼と翳君の関係の描写はあんまりそっち方面にいかない方がいいなあ。

聖女の塔 (講談社ノベルス)

聖女の塔 (講談社ノベルス)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/07/11
  • メディア: 新書



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2011-04-02 [篠田真由美]

 地震の後は妙に時間が遅く感じられましたが、いつのまにやら4月です。家の近くの桜もちらほらと咲き始めました。各地で花見自粛という記事を新聞で読みました。関東は電力がアレなんで夜桜はやめてねと思いますが、昼間の花見は別に構わないと思うけどな。西日本の皆様には大いに花見を楽しんでもらってガンガンお金を使ってもらわないと、被災地じゃないのにお店が潰れるという悲しいことになりかねない。
 今年は入社式も西日本で開催したり中止する企業が多かったそうで、そういえば昨日はあまり新入社員の姿を見なかったです。毎年駅の周辺に固まって「一緒に帰るんだ」オーラを振りまいている集団がいるのに。色々ひっそりと値上げされていたりの新年度スタートですね。今年はエイプリルフールも自粛でしたが、福山さんがバオバブを辞めたのがエイプリルフールかと思ってしまいました。本当だったのか。どうりで4月からスタートの新番組に名前が少ないはずだ。新天地でのご活躍期待してます。

 篠田真由美さんの「風信子(ヒアシンス)の家」を読みました。
 ー「君にこの謎が解けるかな?」W大学文学部教授・神代宗宛に届いた奇妙な手紙には、精巧に作られたバンガローの立体模型が添えられていた。小さな部屋の中には背中から血を流した人形が配置されていたが、神代にはこんな殺人現場の記憶も心当たりもまったくなかった。しかし、同居している少年達から思わぬヒントをもらった神代の脳裏に20年以上前の切ない過去が蘇るー
 講談社から刊行されている「建築探偵・桜井京介」シリーズのスピンオフ作品です。作者のあとがきによれば、本編開始前の1991年が作中年代らしい。そのため携帯電話は勿論、録音機材もカセットテープです。「建築探偵」シリーズには若いファンも多いでしょうが、カセットテープをリアルに知らない世代がいたら怖いな。1991年ということで当然のことながら蒼は子どもで、桜井京介は大学生であります。本編もこの年齢で止めておけばなあ……。この作品に登場する事件は「過去のもの」なので、探偵が事件を解決するというよりは残された人の「憑き物落とし」みたいな感じです。ミステリとしてカタルシスが味わえるというわけではありません。作者は本編を知らない人に読んで欲しいとのことですが、何の説明もなく出て来る神代家の居候達を知らないと楽しめないと思います。神代の友人である辰野がなかなか良いキャラでした。ところでこの本のタイトルとなっている「ヒアシンス・ハウス」は詩人にして建築家であった立原道造が自分の為に設計したバンガローの名前です。立原自身が24歳という若さで他界してしまった為建設されることはなかったのですが、没後65年を経て建設されました。現在も浦和の別所沼公園の中にあって一般公開もされていますので、浦和に来た時には是非。

風信子の家  神代教授の日常と謎 (カドカワ・エンタテインメント)

風信子の家 神代教授の日常と謎 (カドカワ・エンタテインメント)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/11/30
  • メディア: 新書



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