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2014-04-27 [篠田真由美]

 篠田真由美さんの「燔祭の丘〜建築探偵桜井京介の事件簿」を読みました。
 ー謎の詩を残して姿を消した京介を追う蒼と深春。函館で京介を探す彼等は、20年前に起こった忌まわしい事件を知る。全寮制の男子校で起こった殺人事件と火災の犯人は本当に京介なのか。次第に明らかになる久遠家のルーツと京介の父の狂気……ー
 本編の完結編。久遠アレクセイの名で生家に戻って来た京介。彼を必死に探す蒼。その間に20年前に起こった全寮制高校での殺人放火事件が描かれる。舞台となった学院は、外に出ることを望んだアレクセイに対して父親が造り上げたもの。彼がなぜ「桜井京介」という名を得たのかも明かされる。前作「黒影の館」からの続きものだが、最大の敵であるはずの父親・久遠グレゴリが期待よりかなり小物だったのが残念。門野が手子摺る理由がわからない。権力だけならグレゴリの置かれた状況から、門野の方が手にしているような気がする。京介は生家に戻ってからある暗示をかけられているが、父親達に対してあれほど敵愾心と猜疑心を持つ京介が、果たして暗示にかかるものなのか。「コードギアス」に出て来るギアス並に強力な暗示である。それなのに蒼の声で解けてしまうというのだから少々拍子抜けだった。建築探偵シリーズなので、最後くらいはやはり建物に絡めて欲しかった。少女漫画的な物語に終始してしまったのはやはり残念としかいえない。

燔祭の丘 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス)

燔祭の丘 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/01/06
  • メディア: 新書



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