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2014-05-11 [篠田真由美]

 篠田真由美さんの「さくらゆき〜桜井京介returns」を読みました。
 ー日本画の大家・野々村白仙の養女である薔子(しょうこ)が、クリスマスパーティーで変死した。事件の所為で心因性の不調に悩む高校生の義弟の郁哉に、スクールカウンセラーである薬師寺香澄は桜井京介という不思議な男を紹介するー
 「魔女の死んだ家」はスピンオフという位置づけのようだが、今作はタイトルにあるように「続編」なのだろう。4つの短編からなる本作の時系列は2012年。蒼こと香澄は大学院を出てスクールカウンセラーとして色々な学校に行っている。そこで事件を拾い京介に引き継ぐ。京介は神代家で神代と香澄の3人で暮らしており、現在は家政夫的な立場。建築探偵ならぬ家政夫探偵である。ちなみに年齢は香澄34歳、京介44歳。こうなるとサザエさん方式の方が良かったなとつくづく思う。深春は「燔祭の丘」で綾乃と結婚して以降出番はなく、今作でも登場していない。この作品のファンは京介、深春、蒼(香澄)の3人が活躍するのが好きだろうから残念。
 京都の古書店を舞台にした「それは魔法の船」は、郁哉と京介がメールのやりとりで事件を話し合う。京介は積極的に事件に関わることはないが、警察とのパイプは健在のようだ。
 表題作には庄司ゆきという少女が登場する。少々理屈っぽいこの少女は、新しい桜井京介シリーズのレギュラーになりそうな予感。動かし難くなってしまった綾乃の代わりとか。
 神代教授による「あとがき」はない方が良かった。あとがきで簡単にキャラクターのその後を語られても読者は納得しないのではないだろうか。

さくらゆき 桜井京介returns (講談社ノベルス)

さくらゆき 桜井京介returns (講談社ノベルス)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/08/07
  • メディア: 新書



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