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2014-10-04 [初野 晴]

 初野 晴さんの「初恋ソムリエ」を読了。
 ー廃部寸前の吹奏楽部を立て直し、吹奏楽の甲子園「普門館」を目指すチカとハルタ。吹奏楽経験者達に降り掛る謎を解き明かして部員を増やしていくが、音楽エリートとして育った芹澤直子にはにべもなく断られ続けていた。ある日、芹澤の伯母が高校にやって来る。「初恋研究会」という名のクラブに招待されたのだという。彼女の初恋に秘められた秘密とは……。ー
 「ハルチカシリーズ」2作目。順調にメンバーを増やしつつある吹奏楽部だが、彼等の前に強敵が立ちはだかる。芹澤直子。国会議員を輩出した地元の名家の令嬢にして、幼少から専門の音楽教育を受け筋金入りのアンチ吹奏楽の少女。クラリネット奏者である彼女を吹奏楽部に勧誘する為に、チカ達は奮闘する。芹澤自身の秘密を明かす「スプリングラフィ」。音楽を目指す彼女にとっては致命的な秘密。家とのしがらみ。高校生が背負うにはなかなかに重い。そして、表題作である「初恋ソムリエ」。人の初恋が本当に「恋」だったのかを鑑定するというおかしなクラブ。だが、直子の伯母が依頼した初恋があまりにも壮絶だった。当時のことは記録でしか知らないが、多感な頃をその渦中で過ごした彼女と彼女を護ろうとしたベンジャントの心情を思うと辛い。
 他の収録作「周波数は77.4MHz」「アスモデウスの視線」もテーマはとても重くて、高校生が解決するのは如何なものかと思うが、大人によって守られている世界である意味好き勝手をしている高校時代に、世界が決してやさしいものではないということを知るのも大切なのだろう。

初恋ソムリエ (角川文庫)

初恋ソムリエ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2011/07/25
  • メディア: Kindle版



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