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2014-09-28 [初野 晴]

 初野 晴さんの「退出ゲーム」読了。
 ー廃部寸前の弱小吹奏楽部に所属する穂村チカと上条ハルタ。2人は吹奏楽部の甲子園と呼ばれる「普門館」出場を目指すがメンバーが足りずに悩む。そのうえチカには顧問の草壁先生を巡る片思いの三角関係の悩みまであった。そんな2人に学校の中で起こる数々の謎が降り掛るー
 チカは中学生時代はバレーボール部所属だったので、フルートを始めたのは高校生になってから。一方のハルタはホルン奏者としてかなりの腕前。そんな2人が同じ相手に片思いしている。ハルタは同性である草壁先生に対する片思いなのでかなり不利だが、2人はきちんと「抜け駆けしない」という紳士協定を結んでいる。
 チカとハルタが事件を解決する度に吹奏楽部の部員が増えるという、RPGのような展開だ。だが、彼等が解決する事件は決して軽いものではない。殺人が起こるわけではないが、事件が背負うものは「日常の謎」に振り分けてしまうには重すぎる。だが、作品が重く沈まないのはハルタとチカのキャラクターだろう。ハルタは容姿端麗頭脳明晰だがなんともいえない残念さがあるし、チカの明るくポジティブな姿は読んでいて清々しい。また、発明部や生徒会にマークされる「ブラックリスト十傑」など、学校内に個性豊かな人物が大勢いるため、読むのがとても楽しかった。謎めいた草壁先生など、続きが気になる作品だ。

退出ゲーム (角川文庫)

退出ゲーム (角川文庫)

  • 作者: 初野 晴
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2010/07/24
  • メディア: 文庫



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