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2011-02-23 [成田良悟]

 月曜日に大騒ぎしたお婆さんの姿はこの2日間見ていません。まあ、ああいう症状ですから他人に絡んでお巡りさんを呼ばれたことなど全く覚えていないのでしょう。しかし、ある日突然スイッチが入ってまた追いかけられたら困るので、暫くは用心することにします。

 成田良悟さんの「デュラララ×9」を読みました。
 ー東京・池袋。少年達が歪んだ友情で抗う中、臨也にひとつの依頼が舞い込む。裏カジノの秘密を探るべく暗躍する臨也に、複数の組織の魔の手が迫る。そして狙いは臨也だけでなく彼の双子の妹達にまで伸びて行く……ー
 「人ラブ!」な情報屋折原臨也さんがメインの第9巻。成田さんの作品の特徴である時間軸が入り乱れたお話。この作品の肝はやっぱり「監禁されているのは本当に臨也なのか?」でしょう。頭から麻袋をかぶせられて終始無言の男。監禁した組織の『ミミズ』という女は男を「臨也」と決めつけて色々楽しそうに虐めていますが、読者にしてみれば「あの臨也のことだからどうせ偽者じゃね?」と思ってしまいます。しかもシズちゃんが出勤してないだの影次郎さんがいなくなるなど、これでもかというくらいにミスリードを誘ってきます。そしてもう一つの肝が、臨也と新羅の関係。来神中学校入学直後の臨也と新羅の出会いが書かれていてこれが面白かった。作品中最も歪んでいるように書かれている臨也さんですが、実は新羅の方がもっと歪んでいました。おそらくシリーズ中で一番歪んでいるのは新羅でしょう。あの臨也が嫉妬するくらいに新羅は別世界の人間です。臨也が独自の派閥を作って動き始めたり、セルティが首の在処に気付いたり、色々動き始めたようですが肝心の高校生組が殆ど出て来ない。そろそろ帝人と正臣にも大きな動きが欲しいところです。

デュラララ!!×9 (電撃文庫)

デュラララ!!×9 (電撃文庫)

  • 作者: 成田 良悟
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2011/02/10
  • メディア: 文庫



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