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2014-08-03 [高里椎奈]

 高里椎奈さんの「うちの執事が言うことには」を読了。
 ー名門烏丸家27代目当主となった花潁(かえい)は、まだ18歳の若さ。引退して気ままな旅に出てしまった父親に代わって留学先の英国から帰国する。大好きな執事の鳳が出迎えてくれるとばかり信じていたのに、そこにいたのは鳳に代わって烏丸家の執事になった衣更月だった。ー
 突然当主となってしまった主人公と、新しく執事になった青年がコンビを組む日常の謎系のミステリ。花潁が当主としての自覚がないのも問題ではあるが、執事となった衣更月がその態度で大丈夫なのかと思うくらいの傲岸不遜。そういう態度が許されるのは最早「あくまで執事ですから」なあの人くらいのものじゃないかと思うのだが(執事といえども使用人ではあるだろうし)。互いに反発しあう2人が本物の主従関係になれるのかが見所なのだろう。花潁が大好きだった元執事の鳳は家令として花潁の父に付き従っており、衣更月もまた鳳に心酔している為、2人がどうにもならなくなった時に現れる鳳が良いところを全部持って行ってしまうのも仕方ない。いつの日か、鳳を必要としなくなる花潁と衣更月が見られるのかもしれない。花潁の父も、もう少し上流階級のしきたりなどを花潁に教えてあげるべきだった。花潁の特殊能力である「色彩感覚」もこの先どうなるのか楽しみだ。
 彼等が遭遇する事件は窃盗、障害、誘拐と立派な刑事犯罪なのだが、なにせ上流階級で起こった事件であるため、警察沙汰になることはない。だが、お金持ちの悪戯にしては少々やり過ぎ感がある。特に赤目の存在が気になる。赤目が花潁の敵になるか味方になるのかが、この先のポイントになりそうな気がするが、一般文庫なのであまりBL的にはならないでほしい。

うちの執事が言うことには (角川文庫)

うちの執事が言うことには (角川文庫)

  • 作者: 高里 椎奈
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/03/25
  • メディア: 文庫



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