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2013-07-15 [小野不由美]

 小野不由美さんの「十二国記〜丕緒の鳥」を読みました。
 ー慶国に新しい王が登極した。即位の礼で行われる儀式「大射」のために、羅氏の丕緒は新たなる陶鵲の製作を命じられる。「大射」とは、鳥に見立てた陶製の鳥を弓矢で射る儀式であり、丕緒は国の理想を表現する陶鵲の製作に苦慮する。長い間王の失政と不在によって苦難に喘ぐ多くの民を見て来た丕緒は、陶鵲とは民の象徴であるのではないかと考え、陶鵲作りに着手するー
 シリーズ12年ぶりの新作ですが、読み切りの短編集です。本編が王や麒麟、政治に関わる者達などを主体に描いているのに対し、今作に収録されているのはどれも民からの視線を描いています。そしていつも通り登場人物達に容赦のない世界です。
 表題作の「丕緒の鳥」は、陶器製の鳥を射抜く儀式を描いていますが、この陶鵲というのが凄い。割れながらも音楽を奏でたり、割れた陶鵲の中から新たな陶鵲が生まれて飛び去ったり、陶器とは信じられないものです。ぜひこの「大射」を見てみたいものです。大事なものを失い、苦境に喘ぐ民を目の当たりにして創作意欲を失った丕緒が、新王である陽子の言葉によって再び陶鵲を作ろうと決意する場面、陽子の言葉が実に良い。ようやく慶に明るい兆しが見え始めたところが良い。しかし、私としては陽子が今どうしているのかが知りたいのです。
 「青条の蘭」は山毛欅が銀色に変色することから物語が始まります。木材としてあまり値がつかない山毛欅が、銀色に変色するという奇病によって高値がつき、貧しい民や役人達が取り合いを始めます。しかし、森の荒廃は確実に村や里を滅ぼします。役人の標仲と旧友の包荒はこの現象を危ぶみ、なんとかして奇病を止めようとします。そして天が授けたのが青条。しかし、扱いが難しく量産することもできません。そこに新たな王が登極したとの噂が入ります。王に路木に願ってもらえば国中の里木に青条の種が宿る。しかし、その為には王が青条の現物を見る必要があります。王がいる宮まで雪深い中、標仲はひたすら歩き続けます。
 王の不在が長過ぎてこれ以上ないという程に荒れた国。さて、この国は一体どこなのか。冬が厳しいなどの描写を元に一生懸命考えましたが思いつかず。後半、王が暮らす「玄英宮」という言葉が出て来てようやくわかりました。あの国好きなのに。12年の歳月は長かった。青条を王宮に届けるために走り続けるこの国の民。王がいないのに気まぐれのように薬となる青条を生やす天の意志。この十二の国を見下ろしている「天」という存在が恐ろしいです。新王があの人で心底良かったと思います。あの人好きな私には吃驚なプレゼントでした。
 他にシリアルキラーに対して死刑の存続か撤廃で悩む法曹界を描いた「落照の獄」、国が滅びようとそれでも民が必要とする暦を作ろうとする「風信」の4作が収録されています。
 「落照の獄」は死刑云々の議論がちょっと長過ぎるし、あの世界に現実世界の死刑論が通じるとも思えない。が、国が傾けば妖魔が跋扈すると同時に、人の心も変わってシリアルキラーが出現するというのは「成る程」と思いました。柳国の未来がお先真っ暗でなんともいえない。
 「風信」は学者は世界が変わっても学者だなと。そしてツバメの雛が去年よりも多いという観測結果によって、新しい王が立ち、世界が良い方向に変わると断言するのも学者らしい。そしてこの新しい王というのも陽子のことです。最初と最後の話が慶国なのが巧いなあ。久しぶりに全作読み返そうかな。

丕緒の鳥 十二国記 (新潮文庫 お 37-58 十二国記)

丕緒の鳥 十二国記 (新潮文庫 お 37-58 十二国記)

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/06/26
  • メディア: 文庫



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2012-08-14 [小野不由美]

 小野不由美さんの「残穢」を読みました。
 ーホラー小説を書く作家「私」の元に一通の手紙が届く。ある女性が都内の賃貸マンションに入居したが、その部屋に何かがいるような気がするという。寝室として使っている和室を、箒でさっと掃くような音がするというのだ。しかも女性は、暗がりの中に帯のようなものが揺れているのも目撃していた。「私」の元には、かつて読者から幼い娘が天井を見上げて「ぶらんこ」と言う怪奇現象を記した手紙があり、女性のマンションと同じだったことから、「私」と女性は怪奇現象の調査に乗り出す。住人がいつかない部屋、怪奇現象が起こるマンション近くの建売り住宅。調査を進めるうちに、この怪奇現象はマンションの部屋にまつわるものではなく、その「土地」にまつわるものではないかということが判明するー
 「鬼談百景」に収録されている「ぶらんこ」など数話が出て来ますので、「鬼談百景」を先に読んだ方が面白いかもしれません。少女小説を書く「私」が「小野不由美さん」本人なのか、虚構なのか判断がつかない。読者から怪奇体験を募集したというのは昔の「ゴーストハント」でしょうか。マンションの怪奇現象から始まって、徐々にその範囲が広がって行く。その調査過程を細かく記した「怪奇現象探求レポート」のようです。怪奇現象が怖いというより、自分の知らない何かがするっと自分の生活圏に入り込んで来るのが怖い。この怖さは「屍鬼」の舞台である田舎の村に、いつのまにか「異形」が入り込んでくるのと同じ怖さです。調査を進めて行くうちに、その土地が持つ「穢れ」の「伝染」という途方もない結論に辿り着きます。誰も自分が住む部屋や土地の過去をじっくり調べることなどしません。しかし、その土地が「穢れ」ていたとしたら。「私」は作中で家を建てますが、一生で一番高い買い物が「汚染」されているなど考えたくないなあ。余談ですが、この家がなかなか豪邸のようで、小野さんと綾辻さんは稼いでるなと思ってしまいました(フィクションなのに)。ホラーとしての怖さはあまり感じませんが、なんとも「いや〜な気分」になります。自分が住んでいる場所をちょっと調べた方がいいかな?と思える本です。

残穢

残穢

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/07/20
  • メディア: 単行本



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2012-07-29 [小野不由美]

 小野不由美さんの「鬼談百景」を読みました。
 学校に立つ男女の生徒を象った銅像の人差し指の先が切り落とされた不気味な理由とか、中学校の美術室に残る白いキャンバスが、処分しようとすると行方不明になり、忘れたころに棚に戻っているとか、どこかで聞いたことのあるような怪談が99編収められています。
 どこかで聞いたことのあるような感じですが、全て小野さんの創作なのでしょう。やっぱり「怪談」というのは聞いたことがある感じというのが大切です。昔学校で流行ったとか、ネットの都市伝説で読んだとか。どの話も1頁から4頁で、その短さがまた修学旅行の夜にやった「怖い話大会」のようです。スプラッタなものはないので、気持ち悪い怖さというのはありません。しかし、夜中にふと思い出してしまって、思わず後ろを振り返ってしまう怖さがあります。我が家には熊のぬいぐるみがたくさんあるので、「ぬいぐるみ」という話は怖かった。思わず手元のぬいぐるみの顔を確認してしまいました。動物が絡むものは怖いというよりちょっと切なく、「不評」という話は恐いながらも笑ってしまいました。
 この本はまた装丁が素晴らしくて、カバーを外すとまた楽しめます。そして「のど」の部分にお話の番号が書かれているのですが、話が進むに従ってどんどん下に降りて来ます。「百物語」の蝋燭の代わりのようです。「百物語」といえば100編ですが、この本に収録されているのは99編。残りの1編が新潮社から同時出版された長編「残穢」だという噂もありますが……。なので、これから「残穢」を読みます。

鬼談百景 (幽BOOKS)

鬼談百景 (幽BOOKS)

  • 作者: 小野不由美
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2012/07/20
  • メディア: 単行本



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2012-01-08 [小野不由美]

 世の中3連休ですが、昨日は普通に仕事。年始恒例の倉庫の整頓で今日は筋肉痛です。前髪が鬱陶しくなってきたので連休だし髪を切りに行くぞ!と思ったら、この連休は成人の日でした。美容院なんて行けるわけがない。自分に関係のない祝日は意味をすっかり忘れてしまいます。
 今週から色々新番組が始まるのだな。基本、録画してまとめて見るので、本数が多いと大変です。
「偽物語」は相変わらずの喋りまくり。神谷さんお疲れさまです。このシリーズは色使いがすごく好きです。

 小野不由美さんの「ゴーストハント7〜扉を開けて」を読みました。
 ー能登の事件を解決し、東京への帰途についた麻衣達。しかし、道に迷ってダム湖畔のキャンプ場に辿り着いてしまう。「やっと見つけた」と謎の呟きを残し、ダム湖の捜索を開始したナルこと渋谷一也は突然、東京に戻り次第オフィスを閉鎖すると宣言。戸惑う麻衣達はこのままキャンプ場に残ることにした。そんな彼等の前に廃校になった小学校で発生する怪異を調査してほしいと依頼が舞い込んで来る。しかし、一行が調査に向かった廃校には恐るべき罠が仕掛けられていたー
 「ゴーストハント」シリーズ最終巻。色々な謎が一気に解明されます。ナルがどうして日本中を旅していたのかとか、麻衣の夢に出てきたのは誰なのかとか。今回の舞台となった小学校で起こった怪異は、怖いというよりも哀しい。やったことはえげつないと思いますが。メンバーが子どもと入れ替わってゆくのはちょっと不気味。車の台数で怪異に気付いたのに間に合わないところが特に。「ナル」というニックネームの本当の意味も判明しますが、あの名前でどうして「ナル」になるのか、日本人の私にはどうしても理解できない……。今回の表紙カバーは読み終わってから捲った方が良いですね。この後に未完の続編があるのですが、その分のリライトは……ないんだろうなあ。

ゴーストハント 7 扉を開けて (幽BOOKS)

ゴーストハント 7 扉を開けて (幽BOOKS)

  • 作者: 小野不由美
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/11/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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2011-10-20 [小野不由美]

 浦和の監督が堀さんに。どうせ切るなら前節終了時に切っておけばよかったのに。もう明後日試合だというのに今から何をしろというのだろう。堀さんといえば、現役時代に何かあると堀さんの所為にしていましたが(冗談ですけど)、これから何があっても堀さんの所為にはしませんから。どうかチームをよろしくお願いします。

 小野不由美さんの「ゴーストハント6〜海からくるもの」を読みました。
 ー日本海を一望する能登半島で料亭を営む吉見家。この家では代替わりの度に多くの死者が出るという。渋谷サイキックリサーチを訪れた吉見彰文の祖父が亡くなり、幼い姪・葉月の背中には戒名のような湿疹が現れた。 ナル達は調査の為に現地へ向かうが、そのナルが何者かに憑依されて身動きが取れなくなる。リーダー不在となった麻衣達は吉見家の人々を救うことができるのか。ー
 今回の表紙は暗くして見る仕掛け。4巻の衝撃を思い出してしまいましたが今回は大丈夫です。断崖絶壁に張り出すようにして建てられた料亭が舞台です。高所恐怖症の私には絶対に行けない場所のようです。吉見家の家族が多いので、登場人物の整理が必要です。家族が多い理由がまた凄い。代替わりの際に人が大勢死んでも家が絶えないようにという理由です。確かに一度に8人とか道連れにされてしまうと、あっという間に家が絶えます。今回は前作のような個人の霊というよりは、その土地にまつわる民族学や土着の宗教などが絡んでいて面白かった。麻衣は周りの皆が彼女の能力を知っているのだから、自分が見た夢はすぐにでも打ち明けた方が良いのではないかい?そして今回ようやく綾子が活躍しました。確かに彼女の能力は都会では無理です。反面、相変わらずジョンが目立たない。キリスト教のエクソシストという立場はなかなか日本の民俗信仰相手では分が悪いかも。部屋に死霊が押し掛けて来るシーンは「屍鬼」で奈緒さんが尾崎医院にやってくるシーンを思い出してしまいました。窓の外に顔が……というのはやっぱり嫌だ。

ゴーストハント6 海からくるもの (幽ブックス)

ゴーストハント6 海からくるもの (幽ブックス)

  • 作者: 小野不由美
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/09/22
  • メディア: 単行本



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2011-08-21 [小野不由美]

 「BLOOD-C」に福山さんが出ていた……。キャストクレジットの「犬 福山潤」にちょっと笑いました。あの犬(最初は猫に見えた)はてっきり委員長か時真君だと思っていたので吃驚。「BLOOD」シリーズは「BLOOD+」しか観ていなかったですが、今回の小夜にはディーヴァみたいな双子やシュヴァリエはいないのか?もしや、あの犬がシュヴァリエ?最後の方で人型になるとか?来年劇場版があるそうですが、大丈夫なんだろうか。

 小野不由美さんの「ゴーストハント5〜鮮血の迷宮」を読みました。
 ー不自然な増改築を繰り返して迷宮のような構造となった巨大な洋館。地元では幽霊屋敷として名高く、建物に入った者が行方不明になる事件が連続して発生した。所有者である大物政治家の依頼によりこの館を調査する為に20名もの霊能者が招集される。複雑な館の構造から調査を始めたSPRの麻衣達は、館の内部に空洞があることに気付く。そして霊能者達が次々と姿を消して行くー
 見取り図がないと今ひとつ館の構造が掴み難い。高低差がかなりあるので想像しにくいです。館といえば小野さんの旦那さんである綾辻さんを思い出しますが、この建物はその上をいくばりばりの違法建築という気がします。今回はなかなか怖かった。麻衣の能力である「夢」の重要度がかなり増してきました。今まで彼女が見て来た「夢」には性格が真っ白なナルが出て来て彼女に重要なヒントを与えてくれますが、今回麻衣が見た夢には彼が出て来ない。なのでヒントを与えてくれる夢ではないことがわかります。彼女はそのままこの館で起きた恐ろしい事件を自分が体験するという新しい力に目覚めたようです。他にも夢を通じて幽体離脱のようなこともしており、麻衣の能力が次第にチート化しております。それにしても麻衣の夢のシーンはかなり怖い。「BLOOD-C」で結構流血シーンがありますが、あれよりもはるかに恐ろしい。文章だけでここまで怖くできるのが凄い。同じ「血」をテーマにした「屍鬼」とはまた違った怖さがあります。しかし、終盤の真砂子の行動はいかがなものか。有能な霊能者なのに単独行動に出るというのがよくわからない。そして安原君の偽所長っぷりが板についていて面白かったです。

ゴーストハント5 鮮血の迷宮 (幽BOOKS)

ゴーストハント5 鮮血の迷宮 (幽BOOKS)

  • 作者: 小野不由美
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/07/13
  • メディア: 単行本



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2011-08-13 [小野不由美]

 鈴村健一さんと坂本真綾さんがご結婚。ザックスとエアリスで、シンとルナマリアで、光とハルヒで……と考えると共演が多かったのですね。お2人両方大好きなのでおめでたい。こっちまでほんわかしてしまうニュースでした。末永くお幸せに。
 鈴村さんといえば「玉ニュータウン」ですが、12日の放送分はヒデキ役の宮野真守さんが全部持って行ってしまったな〜。子供声から狂気じみた声まで色々聞けて楽しかった。

 小野不由美さんの「ゴーストハント4〜死霊遊戯」を読みました。
 ー進学校・緑陵高校で発生した度重なる怪事件。マスコミが集団ヒステリーと結論づける中、生徒会長の安原からの懇願を受け、SPRは調査に乗り出す。教師達が圧倒的な権力で生徒達を支配する校内には、数えきれないほどの怪談が蔓延していたうえに、「ヲリキリさま」という占いが大流行していた。「ぼくは犬ではない」と書き残して自ら命を絶った男子生徒の祟りなのか?自由に身動きが取れずに調査が難航する中、麻衣が不気味な夢を見るー
 表紙がねえ……。虫が苦手な人はこの季節は絶対にカバーをして読んでください。熱によって非常に怖いものが姿を現します。4作目の今作から事件が血なまぐさくなり、麻衣に降り掛る危険もかなり大きくなっています。前作で麻衣と友人になった千秋とタカがSPRでアルバイトをはじめました。しかし調査に同行するわけではないので存在感が薄いというか。むしろ出す必要があったのだろうかとも思います。今作から登場する安原君の方が見せ場が多いのは少女小説だから?安原君有能過ぎだろう。しかし年長者からみたら扱い難いタイプでしょう。生徒達が狂ったようにハマっている「ヲリキリさま」とは「こっくりさん」みたいなものです。今はどうなのかわかりませんが、私が中学生くらいの頃にもの凄く流行しました。当時は「エンジェルさん」とか呼んでいたような気もしますが。色々な呼び方があるのを初めて知りました。威圧的な教師・松山に対する感情が事件を引き起こしたともいえますが、「人を呪わば穴二つ」と地獄少女も言っているとおり、可哀相だけど自業自得だったのかもしれません。松山みたいなのは確かにやり過ぎですが、現在の学級崩壊などのニュースを見ていると優しいだけの教師ではどうにもならないでしょうし、難しい問題です。

ゴーストハント4 死霊遊戯 (幽BOOKS)

ゴーストハント4 死霊遊戯 (幽BOOKS)

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/05/20
  • メディア: 単行本



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2011-06-08 [小野不由美]

 うちの会社は製造業なので朝が早い。最近、朝の電車が混雑し始めました。どうやら節電サマータイムが本格的に始まったようです。

 小野不由美さんの「ゴーストハント3〜乙女ノ祈リ」を読みました。
 ー狐狢狸さんによる狐憑き、座れば必ず事故に遭う魔の席、部室に起こるポルターガイスト。「渋谷サイキックリサーチ」に次々に舞い込む依頼は、すべて私立湯浅高校からのものだった。学校へと赴いた麻衣達は超能力を使うという少女に出会う。すべての怪現象は彼女が放った呪いの言葉から始まったのか。調査を開始したナル達だったが、怪現象は収まるどころか増える一方で……ー
 今回の舞台は女子高。怪現象の状況から思春期の女の子達による集団ヒステリーかと思いきや、むしろ超能力少女・千秋を糾弾する教師達の方がよっぽど集団ヒステリーでした。教師達のこの異常なまでのオカルト排他主義にも勿論理由はあるのですが、今のご時世、教師がここまでしたら大変な騒ぎになりそうです。麻衣はずっと調査に参加していましたが、彼女自身は学校に行かなくても良いのか?麻衣と湯浅高校の生徒達の女子高トークが面白かったです。演劇部の中澤女史のキャラクターがお気に入り。ああいう人、女子高にいそうです。そして今回は割とナルがデレていました。別人のようです。タイトルの「乙女ノ祈リ」は上手いなと思います。霊や怪奇現象より犯人の心の壊れっぷりの方がよっぽど怖かった。

ゴーストハント3 乙女ノ祈リ (幽BOOKS)

ゴーストハント3 乙女ノ祈リ (幽BOOKS)

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/03/18
  • メディア: 単行本



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2011-01-28 [小野不由美]

 「こうのとり」が無事に荷物を届けることができて良かった。前回、ドッキングに成功した時に滞在している宇宙飛行士から管制室にお寿司が届けられたとかで(どうやって出前を頼んだのだろう)、「こうのとり」の中に手作りのぬいぐるみをいれておいたとか。写真を見ましたが可愛いじゃないですか。キーチェーンマスコットにすれば売れるんじゃないだろうか。そして「イカロス君」が撮った金星の写真、凄いですね。ちゃんと自分もいれて撮影しているところが「イカロス君」だな。

 小野不由美さんの「ゴーストハント2〜人形の檻」を読みました。
 ー晴れて「渋谷サイキックリサーチ(SPR)」の助手のバイトとなった麻衣。事務所にやって来た森下典子からの依頼を受けて瀟酒な洋館へと向かう。典子の話によればこの家では不審な物音が続き、度々物が消えるという。到着したその家には、すでに別の家族から依頼を受けたという巫女の綾子と僧侶の法生がいた。そして早速調査を開始した麻衣達を嘲笑うかのように怪異が発生する。それも典子の話とは比べものにならないほど激しいものだった。そんな中、麻衣は典子の姪である礼美がお気に入りの人形「ミニー」と会話をしているのを目撃するー
 少女小説らしいキャピキャピした文章にもだいぶ慣れました。前作でナルに対する恋心を自覚した麻衣でしたが、この作品ではその部分はあまり強調されておらず(真砂子に嫉妬はしているようですが)、淡々と怪奇現象の調査をしています。巫女と破壊僧は前作同様殆ど役に立ちません。今回は少女がいつも持ち歩いている人形が主役。これがなかなか怖い。私はぬいぐるみは好きですが、こういうビスクドールは正直苦手であります。ドレスを作って着せ替えをしてみたいなとは思いますが、夜中にふと目覚めた時にこういう人形は心臓に悪い。が、ぬいぐるみも案外年月が経つとなんとなく視線が合ったりするので、人形というのはやはり特殊なものなのでしょう。

ゴーストハント2  (人形の檻)

ゴーストハント2  (人形の檻)

  • 作者: 小野不由美
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/01/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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2010-12-17 [小野不由美]

 うう……寒い。忙しくバタバタしている間に12月も17日になってしまいましたよ。「伝説の勇者の伝説」は後半から一気に面白くなりましたが、ここで終わりなんですか?あの後どうなるのよ。原作を買えという無言の圧力ですか?
 「謎解きはディナーのあとで」のTVCMがまさかの櫻井さんボイス。あ〜、クロードさんだ……。読んでいる間中ずっと櫻井ボイスが頭から離れなくて困っていたのに、現実のCMまで櫻井さんが来るとは思わなかったです。でも、あの声の執事はやっぱり「旦那さま」と言ってくれないとな。小野さんボイスの執事は当然「坊ちゃん」で。

 小野不由美さんの「ゴーストハント1〜旧校舎怪談」を読みました。
 ー取り壊そうとすると災いが起こるというこの木造校舎。高校1年生の麻衣は、この建物の調査に来たという「渋谷サイキックリサーチ」所長・渋谷一也(ナル)の助手に怪我を負わせてしまう。責任を取るという理由で渋谷の手伝いを始めた麻衣を待ち受けていたものは、校舎の中で発生する数々の怪奇現象だった。怪しげな霊能力者達や自ら霊感が強いと主張するクラスメイト。果たして旧校舎にいるのは噂通りの戦没者の霊なのかー
 小野さんが「ティーンズハート」レーベルから出版していた「悪霊シリーズ」を全面的に改稿してメディアファクトリーから出版したものです。11年の秋まで隔月刊で出版するらしい。文体は少女小説のまま。麻衣の一人称で進んでいきます。麻衣がナルと出会って反発しながらもいつしか惹かれてゆく様子はまさに女の子向け。怪奇現象とミステリと片思いが程よくミックスされています。昔懐かしい雰囲気が味わえる1冊です。小野さんにとっては出世作で今回のリライトに意欲的ですが、どうかどうか「十二国記」の方も続きを書いてください。ずっと待ってます。

ゴーストハント①旧校舎怪談 (幽BOOKS)

ゴーストハント①旧校舎怪談 (幽BOOKS)

  • 作者: 小野不由美
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2010/11/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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