2014-07-13 [小川洋子]
小川洋子、クラフト・エヴィング商會共著「注文の多い注文書」を読了。
作家小川洋子とクラフト・エヴィング商會が9年がかりで創り上げたコラボレーション本。古今東西の小説に出てくる「ありそうでないもの」を小川洋子が発注し、クラフト・エヴィング商會が探し出して(創り上げて)納品するという形である。発注部分も小説仕立てになっていて、不思議な世界を味わうことができる。
川端康成の「たんぽぽ」の登場する人体欠視症治療薬「蚊涙丸」、サリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」の登場する「バナナフィッシュの耳石」、村上春樹の「貧乏な叔母さん」に登場する貧乏な叔母さん、ヴィアンの「うたかたの日々」に登場する「肺に咲く睡蓮」、内田百聞の「冥土」に登場する落丁本が収録されている。納品された品々がどれも素晴らしく、クラフト・エヴィング商會のクオリティーの高さを堪能できる。また、この本の出版に9年もの月日がかかったことも納得できる。
同時に「ありそうでないもの」と「なさそうであるもの」の境界のあやふやさに怖さすら感じる。ここに登場した品々は本当に存在しないものなのか。自分の身の回りのものが本当に存在しているのか考えてみるいい機会なのかもしれない。
作家小川洋子とクラフト・エヴィング商會が9年がかりで創り上げたコラボレーション本。古今東西の小説に出てくる「ありそうでないもの」を小川洋子が発注し、クラフト・エヴィング商會が探し出して(創り上げて)納品するという形である。発注部分も小説仕立てになっていて、不思議な世界を味わうことができる。
川端康成の「たんぽぽ」の登場する人体欠視症治療薬「蚊涙丸」、サリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」の登場する「バナナフィッシュの耳石」、村上春樹の「貧乏な叔母さん」に登場する貧乏な叔母さん、ヴィアンの「うたかたの日々」に登場する「肺に咲く睡蓮」、内田百聞の「冥土」に登場する落丁本が収録されている。納品された品々がどれも素晴らしく、クラフト・エヴィング商會のクオリティーの高さを堪能できる。また、この本の出版に9年もの月日がかかったことも納得できる。
同時に「ありそうでないもの」と「なさそうであるもの」の境界のあやふやさに怖さすら感じる。ここに登場した品々は本当に存在しないものなのか。自分の身の回りのものが本当に存在しているのか考えてみるいい機会なのかもしれない。
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