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2012-07-16 [米澤穂信]

 米澤穂信さんの「ふたりの距離の概算」を読みました。
 ー春を迎え2年生となった奉太郎たち『古典部』。新入生勧誘の場で、大日向友子という新入生が入部を希望する。えるや摩耶花達ともすぐに馴染んだ大日向だったが、仮入部も終わりに近付いたある日、謎の言葉を残して入部はしないと告げた。どうやらえるとの会話が原因らしいのだが、その場にいた奉太郎は納得できない。自分の所為ではと思い詰めるえるを見た奉太郎は、入部締め切り日当日に行われるマラソン大会に参加しながら、大日向の心変わりを探る。ー
 安楽椅子探偵ならぬマラソン探偵。マラソンを走りながら、新入生がどうして入部しないと言ったのかを推理する奉太郎です。大日向さんはどうやら「友達」という言葉に強いこだわりがあるようです。それにどうも色々屈折しているよう。古典部のメンバーは皆それぞれ少々屈折していますが、大日向さんはかなり癖が強い。皆とそこそこ上手くいっていたのに何がいけなかったのか。「ふたりの距離の概算」というタイトルが上手いなと思いました。「ふたり」というのが色々で、どうやら付き合うようになったらしい里志と摩耶花だったり、「遠回りする雛」以降ちょっと関係性に変化が出て来た奉太郎とえるだったり、奉太郎と里志や大日向さんと「友達」だったり。マラソンの距離の概算ともシンクロしているようでした。省エネ主義を掲げていた奉太郎が、ここまで他人の為に動くようになったのかと吃驚。そして自分たちの手が届かない場所で起こった問題について考えるようになった奉太郎が今後どうなるのか楽しみです。

ふたりの距離の概算 (角川文庫)

ふたりの距離の概算 (角川文庫)

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/06/22
  • メディア: 文庫



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